路面標示材の
基礎知識

路面標示材料の種類

1.路面標示用塗料について

路面標示(区画線や道路標示)は、高速道路や一般道路における人と自動車が安全で円滑な通行が出来るよう、路面に塗料で画かれた白線や黄線等を言います。
液状塗料(ペイント型)は、主に高速道路や一般道路の区画線に、粉体塗料(溶融型)は、主に一般道路の道路標示や区画線、横断歩道に使用されています。
区画線、道路標示等に用いる塗料の種類は、JIS K 5665で定義されます。
JIS規格外標示用塗料として、標示の目的、用途により、高視認性標示用塗料、カラー路面標示用塗料などがあります。

路面標示用塗料の規格について

・路面標示用塗料JIS K 5665では、白および黄色の道路標示用色、塗料の品質、試験方法などについて規定しています。

・高速道路株式会社3社(東日本、中日本、西日本)は、「レーンマーク施工管理要綱」に材料(性能)規格、試験方法等を規定しています。

2.路面標示用塗料の分類

a.路面標示用塗料 JIS K 5665の種類
種類 塗料の状態及び施工の条件
1種 A 水を主な揮発成分とするビヒクルを用い、塗料中にガラスビーズを含まず、常温で施工する液状塗料
B 有機化合物を主な揮発成分とするビヒクルを用い、塗料中にガラスビーズを含まず、常温で施工する液状塗料
2種 A 水を主な揮発成分とするビヒクルを用い、塗料中にガラスビーズを含まず、加熱して施工する液状塗料
B 有機化合物を主な揮発成分とするビヒクルを用い、塗料中にガラスビーズを含まず、加熱して施工する液状塗料
3種 1号 塗料中にガラスビーズを15~18%(質量分率)含み、溶融して施工する粉体状塗料
2号 塗料中にガラスビーズを20~23%(質量分率)含み、溶融して施工する粉体状塗料
3号 塗料中にガラスビーズを25%以上(質量分率)含み、溶融して施工する粉体状塗料

b.高視認性標示塗料

(1)高視認性標示塗料

「リブ式」と「非リブ式」に分類されます。


「リブ式」は、塗膜上に、方形、円形状の突起(リブ)を形成、突起を水膜から露出させることにより雨天時においてもガラスビーズによる再帰反射の確保、又、リブ上を車両が通行する際に生ずる振動により運転者に対する注意喚起の効果がある塗料です。

リブ式
路面標示ハンドブック 第5版より抜粋

「非リブ式」は、塗膜に溝や粗表面を形成させ、また、高再帰反射性の特殊なガラスビーズを使用することにより高視認性を与える塗料です。

非リブ式
路面標示ハンドブック 第5版より抜粋

いずれも品質は JIS K 5665-3種規格に準じます。


(2)全天候型路面標示用塗料

屈折率の異なるガラスビーズの混合物を路面標示に散布、固着させることで晴天時、雨天時とも良好な視認性を与える塗料を指します。
品質は、JIS K 5665規格に準じます。

基礎知識全天候型
路面標示ハンドブック 第5版より抜粋

c.カラー路面標示用塗料

歩車道分離や車道危険箇所などへのカラーリングにより、視覚的な効果で歩行者とドライバーに注意喚起を促し、人と車に安心・安全な交通環境空間を提供します。

カラー標示材アトミクス
d.その他路面標示材料

視覚障がい者用誘導用ブロック用 品質は溶融型塗料3種に準じます。

3.関連する日本産業規格(JIS)の変遷

1951年
(昭和26年)
トラフィックペイント JIS K 5491 制定
1960年
(昭和35年)
トラフィックペイント JIS K 5491 改正:常温用1種A,B,C, 2種
1969年
(昭和44年)
トラフィックペイント JIS K 5491 改正:常温用A,B,C
1971年
(昭和46年)
トラフィックペイント JIS K 5665 制定:よう着用A,B,C
1981年
(昭和56年)
トラフィックペイント JIS K 5665 改正:1種(常温)、2種(加熱)、3種(溶着)
1987年
(昭和62年)
路面標示用塗料 JIS K 5665 改正:名称の変更ほか
1992年
(平成4年)
路面標示用塗料 JIS K 5665 改正:1種(常温)、2種(加熱)、3種(溶着)
2002年
(平成14年)
路面標示用塗料 JIS K 5665 改正:1種(常温)、2種(加熱)、3種(溶着)
2008年
(平成20年)
路面標示用塗料 JIS K 5665 改正:路面標示用塗料の規格に水系塗料が追加された
2016年
(平成28年)
路面標示用塗料 JIS K 5665 改正:鉛・クロムフリー黄色塗料
2018年
(平成30年)
路面標示用塗料 JIS K 5665 改正:黄色塗料鉛・クロムフリー化

【注釈】

・当初のトラフィックペイントは「エナメル型」が採用され、1960年にはトラフィックペイント(常温用)としてビーズを散布する物(1種B)と混入品(1種C)が採用されていました。

・JIS K5665 トラフィックペイント(よう着用)は、1971年に制定されました。

・1981年にJIS K5491 トラフィックペイント(常温用)とJIS K5665 トラフィックペイント(よう着用)及び日本道路公団規格を合併した工業規格となり、1種(常温)、2種(加熱)、3種(溶着)に分類されました。


・1987年に名称が「トラフィックペイント」から「路面標示用塗料」に変更されました。

・1992年には、試験項目の一部削除と項目名の変更、3種3号の新設等がありました。

・2002年に国際規格との整合させる為、一部試験条件が変更となって改正されました。

・2008年路面標示用塗料の規格に水系塗料が追加されました。

・2018年、黄色塗料は、鉛及びクロムの有害な重金属を用いない規格に改訂されました。

路面標示用塗料に
ついて

1.路面標示用塗料の構成

樹脂(ビヒクル)

塗膜を作る主体原料で合成樹脂

  • ・アクリル樹脂、アルキド樹脂等の溶剤系合成樹脂および水系合成樹脂
  • ・石油樹脂、ロジン樹脂及びその誘導体粉状合成樹脂
顔料

塗料に色を付ける、塗膜に厚みなど、特別の性質を付与するための原料

  • ・白色顔料・・・酸化チタン、亜鉛華等
  • ・黄色顔料…有機系、無機系顔料など、加熱溶融型塗料には耐熱性の良い黄色顔料を使用
  • ・体質顔料…特別の性質を付与する。炭酸カルシウム、硅石粉、寒水石など、硬質骨材等
添加物

塗料の貯蔵、施工性、塗膜の改質などに使用する原料

ガラスビーズ

3種 加熱溶融粉体塗料の夜間反射材としてJIS R 3301規格ビーズを使用

希釈材

樹脂、顔料を溶融分散、流動性を与え、また乾燥性の調整などで使用

  • ・1種、2種の(A)は、水系で水を使用
  • ・1種、2種の(B)は、溶剤系で炭化水素類等の有機化合物を使用

2.粉体状塗料の製造工程

3.液状塗料の製造工程

環境対応型の路面標示塗料の
開発推進

月刊誌「建築資材情報 2010年11月号・2011年10月号(株式会社 建設物価サービス発行)」のテクニカルレポートのコーナーで路面標示材協会が推進する環境対策型の路面標示用塗料が取り上げられました。

2010年11月号

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2011年10月号

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「建築資材情報」

株式会社 建設物価サービス発行の2003年4月(平成15年)の創刊の専門雑誌。
2016年3月(平成28年)をもって廃刊

よくあるご質問

ここに掲載のご質問は、道路管理者である官公庁をはじめ施工業者、一般使用者から当協会会員である製造メーカー各社に寄せられたものです。
製造メーカーの技術者で構成する当協会の技術委員会が主体となって質問と回答をまとめ、統一見解として提示するのが、この「Q&A」集です。
路面標示材の使用者、道路管理者、そのほか関係者の皆様のお役にたてば幸いです。
なお、ご意見や感想、掲載を希望する質問がございましたら、当協会までお問合せください。

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